硬質クロムめっき技術とは
硬質クロムめっき技術は、電気と化学の力を使って、めっき液に含まれる「クロム」という金属を表面に付着させることで、金属を「強くする」技術です。
自動車部品のように、何度もこすったりぶつけたり熱を持ったりするものには「クロムめっき」は不可欠です。自動車以外にも、摺動部の強度や耐久性・耐摩耗性を上げる用途に多く利用される技術です。
部品供給の環境性に関わる欧州発の規格、RoHS指令においても、工業用とされる硬質クロムめっきは対象となっていません。というのも、施工した硬質クロムめっきは素地に直接、密着性の良い硬くて均一な金属クロムを折出させるので、製品のめっき皮膜には有害とされる六価クロムは含まれず溶出することもありません。
装飾めっきの世界でも、すでに三価クロムめっきの技術が開発され、普及し始めています。表面処理業界において、硬質クロムめっきもまた、今後新たな技術開発が進んでいきます。
めっき試験・研究開発段階での提案
当社では、主に新規製品開発段階で硬質クロムめっきの有用性を相談されるケースが多く、用途や必要機能に応じためっき液の調合・配合、めっき厚や精度のすり合わせ・ご提案を行っております。ご要望に弊社の技術を盛り込み、単品・少量での試験段階から、量産時での精度・コストの試算など、幅広く対応させて頂きます。 社内にてめっき液試験・研究を常時行っておりますので、必要な機能等をお気軽にご相談ください。当社の専門技術者が、丁寧にヒアリングの上、試作等を承ります。
ミクロンレベルの正寸めっき
当社では、頂いた図面の指定寸法通りに、めっき加工のみで仕上げる技術を保有しています。 例えば0.012㎜のめっき厚を誤差±0.003㎜(±3μm)以内で仕上げます。 今まで研削仕上げなどを必要としていた後処理工程を削減でき、短納期とコストダウンを実現できます。 精度を出すにはめっき液を管理する技術が必要です。 さらには、めっき調合液に適した治工具が必要ですが、当社では社内で独自に治工具を製作しています。 ピンや円筒形状だけでなく、複雑な形状にもめっきすることができます。
特定箇所への部分めっき
マスキングのノウハウや治工具の形状が重要になる部品の特定箇所への「部分めっき」も得意技術です。 穴や内径の一部分のみや、特定の一か所のみへの硬質クロムめっき処理など、様々なご要望にお応えできます。
長尺・長いものへのめっき
当社では、国内では最大級である、深さ10Mのめっき槽を保有しており、最大7Mまでの長さの長尺ものへ硬質クロムめっきを施すことができます。 長い製品へは、縦にした方が均一にめっきができ、且つめっき液再生装置で安定しためっき液濃度にて短納期にて対応致します。 事例としては、沖ノ鳥島の復旧現場の作業用エレベータの落下防止用ロッドなど、多数の実績がございます。